インクの混ぜすぎにご注意!適切なCMYKの配色でキレイな印刷をしよう

オフセット印刷ではC(シアン)の版、M(マゼンタ)の版、Y(イエロー)の版、K(ブラック)の版があり、それぞれの版で印刷した各色を重ねることでフルカラー表現がされます。

また、イラストレーター上ではデザインの配色の確認ができ、CMYKのどのインクが何%使用されるデザインなのか一目で分かるようになっています。

実際に印刷するときにも、イラストレーターで配色された比率通りにインクを調整するのですが、配色の比率によってはデータ通りに色が印刷されないといったことも起こり得ます。

実は使用するインクの組み合わせや濃度によっては色が綺麗に印刷されなかったりすることもあり、今回はその原因について説明します。

インクの配色には「安定した色」と「不安定な色」がある

一般的に「不安定な色」と呼ばれる色は茶色系統・紺色・深緑や黄土色などの濃い色や褐色系の色です。

上記の色はCMYの3色かCMYK4色が比較的高濃度で掛け合わされた色であることが多く、このような色は転びやすく、再版や同じロットの印刷でも色の違いが出てきやすくなります。

CMYもしくはCMYKの配色は不安定な色となりやすい
 C:50 M:50 Y:50           C:70 M:70 Y:20 K:20

 

C:70 M:20 Y:70 K:30          C:30 M:80 Y:70 K:10


逆に安定した色は2色の掛け合わせで表現した色になります。

青系の色ならばC(シアン)を中心にMYKいずれかのインクで色味を調整します。もしくは紺などのダーク系ならC+M+Kというような組み合わせでもOK。

緑系はC+Y、赤系やオレンジはM+Yというように2色の配色であればインクの使用量も少なく安定した色の印刷が可能です。

C:80 M:60               M:90 Y50


配色でお悩みの方には「特色」がおすすめ!

特色はCMYKのインクでは表現できない色を表現する際に使用するインクで、DICやPANTONE、TOYOなどのメーカーのインクを使用します。

どの特色もそれぞれ番号が振られており、色見本から希望する色を指定します。

CMYKの4色で表現する色と違い、特色は決められた色に合わせて予めインクを調合して印刷を行うので、不安定な色というものはなくキレイな印刷が可能です。

キャラクターやロゴなど色味が厳密に指定されているデザインの印刷にはこの特色が使用されることが多いです。

ただ特色は1色に対して1版を使用するので、特色の色数が増えるとその分料金は高くなっていくので注意が必要です。ここだけは!というデザインにスポットで特色を使用するなど使い方には工夫が必要です。

特色に関してはこちらの記事をご参考ください。

upackage.hatenablog.com

 

今回紹介したように印刷する色には不安定な色、配色があり、やっと求めていた色ができた!と思っても4色の掛け合わせでは印刷したときに思っていた色と違う!ということも起こるかもしれません。

印刷した後では後の祭りで、こうした事例では刷り直しなど補償対応してくれる会社も少ないです。そうならないためにも適した配色を知ることが大切です。

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