「トムソン加工」ってなに?型抜きで使用される木型について紹介

パッケージ含め紙素材の裁断には「木型」が使用されます。
正方形や長方形などの単純な形であったり、ロット数の関係によっては木型ではなく、裁断機やカッティングプロッターを用いることもありますが、一般的には木型を用いた打ち抜きの加工になります。

このように木型で打ち抜く加工を「トムソン加工」といい、今回はこのトムソン加工について紹介をしたいと思います。

「トムソン加工」とは?

パッケージ製作を例に説明しますが、パッケージ用に用意された厚紙を箱の展開図の型通りに打ち抜く加工です。
打ち抜く際に使用する刃のことを「トムソン刃」といい、このトムソン刃を使用した打ち抜き加工なので「トムソン加工」と呼ばれています。関東では「ビク抜き」とも呼ばれているそうです。

トムソン加工で使用される型はベニヤなどの型材にレーザーで溝を彫り、そこにトムソン刃をはめ込んで製作されます。

上の写真のピンクの緩衝材で挟まれた箇所は打ち抜きの刃がセットされていて、刃がむき出しになっている箇所は厳密には刃ではなく、先端が丸くなっていて折り筋を付けるための刃がセットされています。

トムソン刃は曲げたりすることもできるのでパッケージのRがついた箇所も正確に加工が可能です。さらに円形に打ち抜いたり、ミシン目の加工もできますので自由に形の表現ができます。

トムソン加工の注意点

複雑な形状の加工は難しい

自由に表現ができると書きましたが、加工できる限度というものはやはりあります。
直径の小さな円の打ち抜きや、曲線の多いデザインやキャラクターなどの複雑な輪郭線を持つデザインは加工が難しいです。

パッケージ製作ではあまりこういった事例を見かけることは少ないですが、加工が可能かどうかは実際にデザインを見て判断することになります。

曲線はトムソン刃を曲げて型にはめ込むので。曲線のRが極端に小さいと刃を曲げることができないといった物理的な障害が生じるのでこのように加工が難しくなります。

紙につなぎ目が残る

木型はトムソン刃を繋ぎ合わせて作っていますので、どうしても刃と刃のつなぎ目の部分は裁断されずに残ってしまいます。
非常に小さなつなぎ目なのでパッケージの性能・構造に影響はありません。

初期費用がかかる

木型を製作すると、パッケージの製作費用に木型製作費として初期費用がかかります。
ただ初期費用ですので、一度製作すると次回以降は同じ型で製作すればこの費用は発生しません。
当社では製作した木型は2年間保管させていただいております。その間に再注文いただければ、その時点からさらに保管期限は延長となるので、木型自体の劣化がない限り使用し続けることが可能です。

 

パッケージ製作をするうえで欠かせない「木型」、またその木型を使った加工方法である「トムソン加工」について紹介しました。
オーダーメイドで製作するパッケージは基本的に木型を製作しますが、当社で保有している木型で製作できるサイズの場合は初期費用のご負担無しで進めることもできますのでお問合せいただければと思います。

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