化粧箱の強度を高めたいときに必要な「ダンボール合紙」とは?

今回は化粧箱製作において、強度が必要な時に使用する「ダンボール合紙」について紹介します。

前回までは化粧箱に欠かせない厚紙について色々と説明をしてきましたが、ダンボール合紙は同じ紙でも使用する目的や加工工程も他の紙とは異なりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

ダンボール合紙とは?

まず合紙とは、名称の通り紙と紙を貼り合わせる加工のことを言います。
合紙にもいくつか種類はありますが、ここでの合紙は「ダンボール合紙」で、ダンボールと厚紙を貼り合わせたもののことです。

コートボールなど厚紙で製作する化粧箱と違い、途中で厚紙とダンボールを貼り合わせる工程が入ります。

印刷→表面加工→合紙→裁断

印刷や表面加工はコートボールなどの厚紙に行うのでここまでの工程は同じですが、表面加工まで施した厚紙と片面ダンボーの張り合わせ(合紙)の作業を行います。

片面ダンボールは通常のダンボールの表ライナーが無い状態のダンボールで、中芯のなみなみの層がむき出しになっているものです。
この片面ダンボールに上の図のように、印刷・表面加工まで済んだ厚紙を貼り合わせます。

使用する片面ダンボールはBフルート(厚さ3mm)やEフルート(厚さ1.5mm)、Fフルート、Gフルート(厚さ1mm以下)などです。
当社ではBフルート、Eフルートの2種類の厚みでダンボール合紙が可能です。

ダンボール合紙にするメリット

合紙がもたらす高い強度

まずは何と言っても強度です。
ダンボールと合紙をするので中芯のクッション性や強度の恩恵が得られます。
パッケージは中の商品を保護する目的もありますので、商品自体が衝撃に弱い機器類やガラス材質の場合は通常の厚紙では心もとないでしょう。

ダンボール合紙はこのような外部からの衝撃を極力防ぎたい商品にとっては最適な加工で、さらにはその高い強度から箱単体で宅配でも使用できてしまいます。
美粧性の高い箱、兼宅配用としてそのまま使用できる梱包箱として活躍するので、使い方によっては無駄な梱包箱を使わずに済みます。

合紙だからできる自由度の高いデザイン

もうひとつは、表面に厚紙が合紙されていることによるデザインの自由度の高さです。
強度だけを考えるとダンボールでもOKです。ただ一般のダンボールでは印刷や表面加工でできることは合紙には劣ります。
近年はダンボールへのデジタル印刷も広がっているのでフルカラー印刷も可能ではありますが、やはり色数が限られるフレキソ印刷が一般的です。

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合紙であればオフセット印刷で微細なフルカラー印刷はもちろん、特色印刷も可能です。
また、他の化粧箱と同じように表面加工、箔押しやエンボス加工なども可能です。

ダンボールの強度を持ちながら、化粧箱と同じ自由度の高いデザインが可能ということです。

ダンボール合紙のデメリット

コストがかかる

今までの説明で気づかれているかと思いますが、ダンボール合紙は通常の化粧箱よりも工程が多いのでその分製作コストも高くなります。
紙の種類や厚さによって単価は変わりますので比較は難しいですが、ダンボール合紙で製作する化粧箱はやはりそれなりのコストは発生します。

反りやすい

これは紙自体の特性でもありますが、紙は空気中の湿気を吸収し、その後の乾燥で伸縮を繰り返し「反り」が生じます。

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厚紙とダンボールという異なる紙材質で合紙されているので含水率も違いますし、伸縮の仕方も異なります。
異なる紙が伸縮したり膨張したりするときに大きな反りが生じます。

また表面加工でPPの圧着など熱を加える際にも反りが生まれることがあります。

紙の特性なので防ぐことはなかなか難しいですが、ダンボール合紙ではこういった点にも注意しないといけません。

 

ここまでダンボール合紙について紹介してきましたが、メリットもあれば当然デメリットもあります。
化粧箱を製作する際に、どこに重点を置くかによって紙の選択や加工方法の選択が変わるかと思いますので今回の記事が参考になればと思います。

化粧箱製作はユーパッケージお問合せください。

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