特色を使ってデザインの幅を広げよう!

今回は適材適所で活躍してくれる「特色」の魅力について紹介していきます。

CMYK4色のインクとは違い、予め調合されたインクを使用することで4色では表現できない色の印刷が可能になりますが、特色自体が何なのかよく分からないし聞き慣れない単語も出てくるし少しハードルが高く感じられるかもしれないですが、「特色」が何なのか理解した上で使用するとデザインの幅が一気に広がります。

「特色」とはどういう色?

特色は決められた色で予め調合された指定の色です。

CMYKはそれぞれ4色の版を使用して、各色の網点を掛け合わして色を表現するのに対し、特色は調合した色で1つの版を使用して印刷を行います。

CMYKでは表現できないメタリックカラーやパステルカラー、蛍光色なども特色で表現が可能です。
またキャラクターや企業のロゴマークなど色ブレしてはいけない色に関してはこの特色を使用して色を定めておくことが多いです。
先述したように特色は調合された1色で印刷を行うので、CMYKの掛け合わせのように色が不安定になることが少なく、安定した色味の表現が可能なのでこうしたコーポレートカラーとして使用されます。

ただ特色は1色で1版使用するので、使用する色数によってはCMYKよりもコストがかかります。

特色の種類

特色にはそれぞれの色に番号が振られており、各社が出しているカラーチップから希望の色を選ぶことになります。
主に下記の3社から使用したい色を選びましょう。

「DIC」

DIC株式会社から出ている印刷インキ。日本国内トップシェアで多くの印刷業界で使用されています。

「PANTONE」

アメリカのPANTONE社が出している印刷インキ。国際的にも使用されている色見本のひとつです。
紙媒体だけでなく、インテリアや布に対しての色見本も豊富です。

「TOYO」

東洋インキ株式会社の印刷インキ。

特色の使い方

CMYKでは表現できない色も特色にはたくさんあります。様々な使い方でデザインの幅を広げてみましょう。

安定した色として特色を使用する

CMYK4色で表現できる色でも4色掛け合わせの場合はロットごとで色味が少しずつ変化することもあります。

upackage.hatenablog.com

CMYKの配色についてはぜひこちらの記事を参考にしてください。

毎回色が少し変わってしまうと印刷物のイメージを損ねてしまうこともあります。
そんなときに特色を使用すれば比較的に安定してイメージ通りの色の印刷が可能です。色味が安定すればブランドイメージの定着にも繋がりますので、ロゴマークやイメージカラーなど「コーポレートカラー」の印刷にはぜひ特色を使用した印刷をおすすめします。

パステルカラーや蛍光色の印刷

柔らかいパステルカラーや鮮やかな発色の良い蛍光色はCMYKのインクでは表現が難しいです。
モニター上では希望の色で配色できていても印刷してみると案外くすんだ色で印刷されることが多いです。

特色にはパステルカラー専用の色見本、蛍光色専用の色見本もあるので一度試してみるのも良いかもしれません。

メタリックカラーの印刷

特色には金や銀などのメタリックカラーの見本もあります。
金銀の他にも赤っぽい銅や青味がかかった色などもあります。

こういったメタリックカラーの表現は印刷の他に箔加工という方法もあります。
ただ箔加工は印刷とは別に加工費用が必要でコストがかさむこともありますので、手軽にメタリック調を表現したい場合は特色という選択もアリです。

ただメタリック感をデザインの中で際立たせる場合はやはり箔加工がおすすめでもあるのでデザインや予算によってベストの方法を選びましょう。

データ作成時の特色の設定方法

Illustrator上でも特色の指定は可能です。特色の印刷を希望する場合はデータ入稿前に設定をしておきましょう。

「UPACKAGE」の背景色を特色に変更します。

まずは上の赤丸の箇所のように「スウォッチウィンドウ」を出しておきます。

スウォッチウィンドウの右側にあるオプションボタンから「スウォッチライブラリを開く」→「カラーブック」の順で開いていくと上のようにDICやPANTONEなどから特色の種類を選ぶことができます。

今回はPANTONEのパステルカラーと蛍光色の色見本を選択しましたのでこのように色見本に掲載されているチップがずらっと並んでいます。

先ほどのチップから「PANTONE9524C」を選択しました。
カラーウィンドウで見てみると、上のようにPANTONE9524Cと表示がされています。

以上の手順で特色の設定は完了です。

 

特色の印刷は印刷会社によっては対応できない色などもあります。
データ上での特色設定と併せて、印刷会社にはどの特色で印刷したいかを事前に伝えておくことをおすすめします。
カラーチップの持ち込みなどで対応ができる場合もあります。

当社ユーパッケージではDIC、PANTONEの印刷に対応しています。※一部のPANTONEで対応できない色もありますので事前にお問合せください。

www.upackage.jp