知っておきたい印刷のトラブル「ヘアライン」

印刷用語で「ヘアライン」という言葉があります。
髪の毛のように細い線のことを指しますが、データ作成上のミスで画面ではしっかりとした線で見えていても、実際に印刷をしてみると擦れたような極細の線で印刷されてしまう現象です。

データの作成者、印刷を受ける業者側も発見が難しく、非常に見落としやすいのでデータ作成時に注意してチェックしていく必要があります。

ヘアラインとなる原因

「塗り」に設定された線

ヘアラインのほとんどの原因がコレです。
Illustratorのオブジェクトには必ず「塗り」と「線」の設定があり、それぞれに色を付けることで視認することができ、印刷で表現することができます。

 

Illustrator上で引いた線が「線」に色が入っているか、「塗り」に色が入っているのかが非常に重要です。
どちらも画面上では同じ線として見えますが、「塗り」の設定となっている線は印刷をするとヘアラインとなります。

「線」として設定された線は、印刷時にも表示されている線幅でしっかりと印刷がされます。
しかし、「塗り」として設定された線には線幅の表示がなく、印刷時の太さの設定ができないので出力される印刷機で印刷可能な極細の線で印刷がされます。(全く印刷されないか、もしくは擦れた線で印刷される)

線幅が細すぎる

「線」の設定で線を引いたとしても、肝心の線幅があまりにも細いとこれもやはり印刷が擦れたりしてヘアラインとなってしまう可能性があります。

通常、オフセット印刷では0.3pt(約0.1mm)以上の線幅は必要となってきます。
ダンボール印刷などのフレキソ印刷やシルク印刷では1pt(約0.3mm)程度は必要です。

0.3ptを下回る線幅の設定をしているとヘアラインとなる可能性は高くなりますが、この問題に関しては業者側のチェックでも比較的見つかりやすい部分ではあるので印刷前に防ぐことができるのではないでしょうか。

 

いかがでしたでしょうか?
今までいくつか印刷に関するトラブルを紹介してきましたが、今回の「ヘアライン」も見落としがちな部類です。
データ作成時には注意して作成、見直すようにしましょう。

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【Illustrator】イラレで表を作る方法

表の作成と言えば「Excel」がパッと思いつきますが、個人的にエクセルの表は飾り気が無くて必要最低限の情報だけを示すというイメージです。
表なんて必要な情報、数値だけ表記できればいいという方もいるかと思いますが、少し手を加えてオリジナル感を出したいというときにはイラレで作ってみるのも一つの方法です。
私はイラレで楽に表を作る方法を知らなかったので、自分なりに調べた方法を今回は紹介させていただきます。

イラレで表を作成する手順

まずは長方形を作る

まずは表のベースとなる長方形を「長方形ツール」で作成します。

表の中の行と列の数をイメージして長方形のサイズを決定するとバランスのいい表が作れます。

「グリッドに分割」を選択する

作成した長方形を選択した状態でメニューバーから「オブジェクト」→「パス」→「グリッドに分割」を選択します。

表の行と列の段数を入力する

グリッドに分割を選択すると、上のような入力パネルが表示されるので行と列それぞれの段数を入力して「OK」をクリックします。

表のマスは個別のオブジェクトになっている

「グリッドに分割」で行と列の段数を入力するとこのように表が完成します。

作成した表はマスの1つ1つが個別のオブジェクトとなっているので、上のように動かしたり色を付けたりすることもできます。
また、表の中に入力するテキストはマスごとに中央整列などができるので綺麗にそろえることもできます。

オブジェクトの整列方法についてはこの記事から

upackage.hatenablog.com

upackage.hatenablog.com

 

今回はイラレで簡単に表を作る方法について紹介しました。
数式も併用して表を作るならばやはりエクセル一択ですが、表を応用してカレンダーを可愛く作りたい!といった目的であればイラレがおすすめです。
イラレであれば単純な表ではなく色々と応用が利くのでぜひ活用してみてください。

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知っておきたい印刷のトラブル「裏移り」

オフセット印刷で比較的遭遇しやすいトラブルのひとつが「裏移り」です。
今回は裏移りの原因や対策、裏移りしやすいデザインなどを紹介します。

裏移りとは?

裏移りとは印刷したインクが乾ききっていない状態で、紙が重ねられることによって重なり合う紙のインクが転写されてしまうことを言います。

使用するインクの量や濃度、また紙の種類によって裏移りの程度が変わりますが、オフセット印刷では印刷された紙が高速で次々に積み重ねられていくので裏移りを完全に防ぐことは難しいです。

ただ、裏移りを軽減したり対策する方法はありますので紹介しています。

裏移りの対策

インク量を抑える

全体のインク量が多いとその分乾くのにも時間がかかります。
一般的にはCMYKの総量を250%以下にしておくと良いと言われていますが、200~250%でも起こりうると考えていたほうが良いかもしれません。

特に濃い色のベタ印刷は裏移りする可能性大なので、濃い色でも極力インク量を抑えたシンプルな配色をすることをおすすめします。

乾きにくい紙を使用しない

使用する紙にも乾燥性の良いもの、悪いものなどがあります。
コート紙は比較的裏移りしにくい紙と言われていますが、反対にユポのようなインクの浸透性が悪い合成紙や、凹凸があったりザラザラした紙、和紙などは裏移りしやすい傾向にあります。

パウダー散布量の増量

裏移りを防ぐために印刷時にはパウダーを散布して極力紙同士が直接接しないようにしています。このパウダー量を増やすことでさらに確実に裏移りを防ぐといった対策もあります。
ただ、この方法は作業する人の力量や判断によるところですので、事前に上の項目のような裏移りを少なくする対策を取っておく必要があるでしょう。

PP加工を行う

裏移りはインクが乾いた後も紙同士の摩擦によって起こることもあります。
印刷後に表面をコーティングしておくことで裏移りは大幅に軽減することができます。
ニス加工も効果的ですが、PP加工は印刷面をフィルムの層でコーティングするので摩擦による裏移りを最大限防ぐことができます。

 

いかがでしたでしょうか?裏移りを完全に防ぐことは難しいですが、印刷デザインや紙との組み合わせによって軽減することはできます。

当社ではお客様から頂くデザインによって紙や表面加工に関しても提案させていただきます。
パッケージ印刷をお考えの際にはぜひユーパッケージまでご相談ください。

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ダンボールの厚みを表す「フルート」について解説

今回はダンボール箱を選ぶ際によく目にする「フルート」について紹介をしていきます。
聞きなれない単語ですが、ダンボール箱の強度に直結する大事な要素で、ダンボール選びでは必ず知っておかなければならない単語でもありますので、ぜひ参考にしてもらえればと思います。

フルートとは?

ダンボールで言うフルートとは、ダンボールの厚みのことを表します。
ダンボールには様々な厚みがあり、5mmや3mm、薄いものでは0.9mmなどもあります。
それぞれの厚みに対してアルファベットが振り分けられていて、5mmならAフルート、3mmならBフルートといった呼び方がされています。

また、フルートを簡略化して「F」と表記することもあり、その場合AフルートならA/Fと記載されます。

ひとまずフルート=ダンボールの厚みと覚えてもらえれば大丈夫です。

フルートの種類

Aフルート(5mm)

国内で最も多く使われているのがこのAフルートです。
商品の梱包用、配送用に使用されるダンボールの多くはAフルートです。
厚さが5mmあるので強度が高く、確実に商品を保護してくれるので配送用などで多く選ばれる理由となっています。

Aフルートが使用されるダンボール箱の形はほとんどが中型~大型のみかん箱タイプとなります。
厚みがある分、折り返しが多い形状などには不向きなのでシンプルなみかん箱タイプが適しています。

Bフルート(3mm)

Aフルートと同様にBフルートも多く使用されています。
用途もAフルートと同様で配送用などに使用されることが多いです。

ただ、Aフルートよりも厚みが薄く3mmとなるので、みかん箱タイプだけでなく、キャラメル箱タイプや地獄底タイプ、N式の箱にも使用できるのでギフトボックス用でこのBフルートを選択することもあります。

Eフルート(1.5mm)

Aフルート、Bフルートに次いでよく使用されるのはEフルートです。
厚みは1.5mmとぐっと薄くなるので、強度は他の2つと比較すると落ちますが、厚みが薄い分、折り目で折った際に綺麗に角が作れるので箱としての美粧性が高く、衣類や食品のギフトや、ダンボール合紙で利用して美粧箱として非常によく使用されます。

ダブルフルート

ダブルフルートはAフルートやBフルートを2層に貼り合わせたダンボールのことを言います。
ダブルフルートにも様々な組み合わせがありますが、もっとも一般的な組み合わせはAフルートとBフルートを貼り合わせたABフルートの8mmです。

非常に高い強度を誇るので、海外への配送や大型の家具、家電の梱包に使用されます。
箱のサイズは160サイズ以上が一般的で大型の箱に適した厚さなので、80サイズなどの箱にABフルートを使用すると、綺麗に折ることができなかったりと箱として機能しない場合もありますので注意が必要です。

ダブルフルートには他にもBフルートを2枚貼り合わせたBBフルートの6mmやBEフルートの4.5mmなど様々な組み合わせがありますが、あまり一般的ではないので製作できる会社は限られるかと思います。

マイクロフルート

Eフルートよりも薄いFフルート(1.1mm)やGフルート(0.9mm)のことをマイクロフルートと言います。

ダンボールとしては非常に薄いのでマイクロフルート単体で使用するよりも、ダンボール合紙として美粧箱に使用されることが多いのですが、近年ではマイクロフルートに直接オフセット印刷が可能になり、合紙ではなくマイクロフルート単体で美粧箱に使用されることも多くなりました。

厚さの近い板紙を使用するよりもマイクロフルートを使用したほうが環境にも優しいと、SDGsにも合致しており選択の幅が広がっています。

 

いかがでしたでしょうか?
フルート=ダンボールの厚みなんですが、そのフルートにも様々な種類があるので、箱の中に入る商品や箱自体の用途に合わせて選択しなければいけません。
今回の記事をダンボール選びの参考にしていただければと思います。

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ダンボール箱の「宅配サイズ」とは?

運送会社に支払う送料は、荷物の配送先・荷物の大きさ・荷物の重さで決められています。
配送先や内容物の重量に関しては正直なところ変えようがない要素ですが、荷物の大きさについては送り主のやりくり次第で調整することが可能で、それによって送料の節約に繋がるかもしれません。

今回は配送の際に荷物の大きさの基準を決める「宅配サイズ」について解説をしたいと思います。
宅配サイズについて知っておくと、商品を梱包するダンボール箱のサイズを選択する目安にもなりますので、ぜひ参考にしてみてください。

宅配サイズとは?

宅配サイズとはダンボール箱に限らず商品を梱包した資材の横×縦×高さの3辺を足した数値で計算されます。

上の写真のダンボール箱の場合、横380mm、縦270mm、高さ250mmなので、380+270+250=900となります。
宅配サイズはcmの単位で表記するので、cm換算すると3辺の合計は90cmとなります。
宅配サイズで90サイズということになりますが、サイズ区分で90サイズは存在しないので100サイズ扱いになります。

各サイズの区分については下の表にまとめています。

各サイズともに例えば80サイズなら3辺の合計が80cmまでといったようになっています。
写真の例で挙げた3辺合計90cmの箱は宅配サイズで100サイズということになります。
また、3辺合計が60cm以下の箱は全て60サイズの扱いとなります。

ここで注意が必要なのは何cm以上なら80サイズや100サイズになるのかということですが、厳密に言えば1mmでもオーバーすると一段階上のサイズに見られてしまいます。

80サイズと100サイズを例にしますが、3辺の合計がちょうど80cmの箱であれば宅配サイズで80サイズになります。
ただし、3辺の合計が80.1cmというように僅か1mmでもオーバーしていると100サイズの箱と見られ、送料も100サイズの送料が適用されます。
このことについては後の項目でもう少し詳しく紹介します。

宅配サイズによる料金の違い

ヤマト運輸HPより引用

関東地方からヤマト運輸を使って発送する場合の料金です。
宅配サイズ60サイズ~160サイズまでは各サイズごとに約300円の違いがあります。
160サイズから180サイズに関しては500円~1,000円ほどの開きがあります。

このように宅配サイズが変われば送料も変わるので、日常的に荷物を送ることがある場合は宅配サイズを可能な限り抑えて発送することは重要なポイントだということが分かるかと思います。

梱包するダンボール箱だけで見ても様々な形があります。
書類や少量の衣類などを梱包することに適したたとう式などの薄型の箱や、ポスターやカレンダーを収納できる細長いポスター式の箱もあります。
できる限り商品の形、サイズに合った梱包箱を選択することで無駄なスペースを省くことができ、送料も節約することができます。

宅配サイズを決めるうえでの注意点

先の項目で少し説明をしましたが、宅配サイズのサイズ区分が変わる境界の60cmや100cmちょうどを目指したサイズ設定には注意が必要です。

これは運送業者やサイズ測定するドライバーの方によっても少し異なる部分もありますが、例えば60.1cmの箱を60サイズと取る場合もあれば、80サイズとして取る場合もあります。

配送を依頼した側からすれば、60サイズと思っていた箱も実際に計測してもらったら数ミリ規定サイズを超えていたということも珍しくないかと思います。

ダンボール箱を梱包として使用する場合は、60サイズなら59cm以下、80サイズなら79cm以下といったように3辺の合計を各宅配サイズの上限から1cm~2cmほど小さくしたサイズに合わせることをおすすめします。
ダンボール箱は化粧箱などと比べると寸法精度はそれほど高くありません。表記されている各辺の寸法から±5mmほどはズレが出る可能性があります。

そのため3辺の合計がちょうど60cmで宅配サイズも60サイズに収まる!と思っても実際には80サイズ。。。なんてことも多々あるので、合計59cmあたりを狙うようにサイズ設定をするようにしましょう。

 

今回は送料を決めるうえで重要な要素の「宅配サイズ」について解説をしました。
梱包の無駄な空間を省くことで宅配サイズも小さく抑えることができます。ただその反面、各宅配サイズのギリギリを狙ったサイズ設定は場合によってはそのサイズに収まりきらずに裏目に出るということも把握しておきましょう。

当社ユーパッケージで販売する既製品ダンボールは該当する宅配サイズの表記もしていますので是非参考にしていただければと思います。

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知っておきたい印刷のトラブル「オーバープリント」

今回は印刷で起こりやすいトラブルの1つである「オーバープリント」について紹介したいと思います。

オーバープリントにもメリット、デメリットの側面がありますが、今回は印刷の際にオーバープリントによって生じるトラブルの一例を紹介します。
事前に知っておくことで簡単に回避できますので、ぜひこの機会に覚えていただければと思います。

オーバープリントとは?

まずオーバープリントについてですが、簡単に説明すると色を重ねて印刷をすることです。

通常、上の図の背景と文字のように色が重なったデザインの場合、文字の部分を白抜きにした背景の版と文字だけの版で印刷を行います。

このときにインクの水分などで紙が伸縮し、それぞれの版が微妙にずれることで起こる「版ズレが」生じることがあります。

版ズレによって、このように白抜きされた箇所が見えてしまうことがあり、文字の可読性も落ちてしまいます。
主にこのように文字の可読性を落とさないためにイラストレーターにはオーバープリントの設定があります。

対象のオブジェクト(今回の場合は「UPACKAGE」)に対して、「属性」→「塗りにオーバープリント」で設定することができます。

このようにオーバープリント設定がされると、白抜きはされずに背景のベタの上から文字の印刷がされます。
これによって先ほど紹介したような版ズレは起こらず、文字の可読性を維持できます。

ただ、上の図のように2色の異なる色が重なると、重なった部分は色が変化し、意図した色で仕上がりません。

そのため通常はK100%で設定された部分以外は事前にオーバープリントの設定を外しておくか、印刷会社側で設定を解除することが一般的となっています。

K100%のデザインはオーバープリントに注意

そもそもオーバープリントの目的が、K100%の小さな文字や線などの可読性を落とさないためです。
そのため多くの印刷会社ではK100%のデザインや文字に関してはオーバープリントの設定で印刷を行います。

オーバープリント関連で最も多いトラブルが、このK100%の文字と背景デザインが重なったときに起こるオーバープリントです。

極端な例ですが、K100%の文字に異なる色の背景が一部重なるような場合です。

少し画面上では分かりづらいかもしれないですが、背景が無い部分と背景が重なった部分で色が微妙に異なります。
実際に仕上がった印刷物で確認すると意外と目立ちます。

文字以外にも人のイラストで髪の毛と頭部が重なった部分がオーバープリントとなっていることも多くあります。
見落としやすい部分でもありますので、データ作成時には注意して見返すようにしましょう。

K100%のオーバープリントを防ぐ方法

K100%のオーバープリントは簡単に防ぐことができます。
該当の部分はK100%だけで配色するのではなく、K100%に加えてCを1%~5%加えます。
これをやることによってK100%のオーバープリントはほぼ解消されます。

5%以上加えても効果はさほど変わらないので、1~5%程度を加えることをおすすめします。
加える色の濃度をあまり高くしすぎると、版ズレしたときに目立ってしまいます。

CMYをそれぞれ30%ずつ加えてしっかりとした濃い黒色のリッチブラックにするという方法もありますが、リッチブラックも版ズレのリスクがありますので、オーバープリントを防ぐ目的だけでしたら1%~5%で十分です。

 

今回は「オーバープリント」によって生じるトラブルについて紹介しました。
オーバープリントも含め、印刷で起こるトラブルは知っておかなければ防ぐことが難しいものがいくつかあります。
こんなはずじゃなかったとならないためにも、今回の記事を参考にしていただければ嬉しいです。

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PP加工について詳しく解説!マットとグロスどっちがおすすめ?

今回で最後になる各表面加工の解説ですが、最後はPP加工についてです。
以前までに紹介した表面加工の記事も参考にしていただければと思います。

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PP加工とは?

PP加工とは「ポリプロピレン加工」の略で、ポリプロピレンフィルムを印刷面に熱で圧着するコーティングのことをいいます。

他の表面加工の記事で何度か紹介しましたが、表面にPPの層が生まれますので耐久性、耐水性に優れた表面加工で、背割れや裏移りなどはほぼ間違いなく起こることはありません。
ただその反面、加工費用はOPニスやプレスコートに比べると割高なので一番の問題はコスト面となりますが、耐久性も高く非常にきれいな仕上がりとなるので、パッケージの用途や商品のブランドイメージに合わせた選択になるでしょう。

PP加工の種類

PP加工には「グロスPP」と「マットPP」の2種類があります。以下で紹介しますので参考にしてください。

グロスPP

光沢のあるPPフィルムを圧着することで印刷面に強い光沢感が生まれ、印刷物が華やかな仕上がりになります。

基本的に色彩豊かなデザインに合う加工で、原色を多く使用するデザインや、食品や人物の写真が入った印刷に対してグロスPPを使用すると、加工前よりもより華やかな仕上がりとなります。
特に食品の写真に対しては、加工をすることで色味が鮮やかになるのでアピール力の高いパッケージになります。

反対に余白を多用したシンプルなデザインに対してはグロスPPの特徴を活かせないこともあります。

マットPP

光沢のあるグロスPPに対してマットPPは光沢がない艶消しのフィルムを圧着する加工です。

落ち着いた高級感のある仕上がりとなりますので、シンプルなデザインに対してマットPPの特徴が最大限活かされます。

化粧品やお酒のパッケージなど高級な価格帯の商品やギフト系のパッケージで使用されることが多く、白を基調としたシンプルなデザイン、パステルカラーなどの色彩の淡い色を使用したデザインと特に相性がいいです。

PP加工の注意点

・色が濃くなる
・指紋の付着
・反り

PP加工を選択する上で注意していただきたいことは上記の3項目です。

反りに関しては前回のプレスコートでも紹介しましたのでこちらの記事から参考にしてもらえればと思います。

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「色が濃くなる」「指紋の付着」に関してはグロスPP、マットPPどちらにも言えることですが、特にマットPPに対して顕著に現れるので紹介しておきます。

マットPPは淡い色のデザインに対して非常に相性がいいのですが、黒や紺、茶色、原色系などの濃い色のデザインに対してマットPPを選択する際には注意が必要です。

マットPPは表面に付着する指紋が非常に目立ちやすいです。淡い色のデザインに対しては付着した指紋も目立ちにくいですが、濃い色に対してはくっきりと指紋がついていることが分かります。

また、濃い色のデザインに対してマットPPを加工すると、より色味が濃く見える仕上がりとなるので紺や深い緑などのデザインはマットPPをすることで、どの程度濃くなるのかも予め確認しておく必要があります。

 

PP加工はその強度に注目されがちですが、グロスPPとマットPPの使い分けでデザインをより一層引き立てることもできる加工です。

当社ユーパッケージではお客様のデザイン、用途に合った表面加工の提案が可能です。
お悩みの際にはぜひお問合せいただければと思います。

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